ブックタイトルカーテンウォール総合カタログ

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概要

カーテンウォール総合カタログ

241参考資料8.メタルカーテンウォールの面構成材設計■製造面からの設計条件■製造面からの設計条件■部材設計例■施工面からの設計条件例メーカーでの詳細設計外壁の持つ複雑な機能や性能、意匠に対して、与えられた設計条件のもとで詳細設計がカーテンウォールメーカーで行われます。要求される意匠・性能が総合的に検討されますが、おおまかな流れとしてはフロー図のようなものになります。構成部分の設計順序として先ず標準部の設計、それからコーナー部や上下端部の役物とよばれる特殊部の設計を行います。スタンダードカーテンウォールの場合は、標準部の設計が比較的簡単になります。詳細設計の条件は、設計・製造・施工の三つの分野から出されます。設計面では、意匠と性能の両面から要求が出されます。とくに部材の割付けや寸法、使用材料については意匠にかかわる重要なポイントとなります。性能的には、耐風圧性能、層間変位追従性能、水密・気密性能などが指定されます。製造面からは、工場の製造技術、製造設備、生産能力を前提にした設計が求められます。特に最大部材寸法や製品の納期などは大きな制約となります。施工面では、建築物の立地条件や工法等、その建物固有の施工条件に基づく要求を反映させるための工法上の条件(外部足場の有無、ユニット工法か、ノックダウン工法か)と時間的制約である工事工程条件があります。カーテンウォールの工事工程は建築の全体工程に与える影響が大きく、時として設計条件の中で最優先することもあります。面構成材の設計設計与条件に基づき面構成材の設計を行います。設計の過程は常に、「設計者の意図するデザインと品質・性能の実現」および「工事工程の厳守」を柱に進めてゆきます。面構成材設計では、デザイン上の要求にそって各部材の概略形状を決め、その上で各性能を詳細に検討し、最終形状を決定します。ここで、性能の中でも最も重要な一つである耐風圧(性能)に対するノックダウン方立タイプの設計手順を例として示します。①まず構造モデルを決定します。②設計仕様または建築基準法を基に風圧力の計算を行います。③使用部材の許容応力度、許容たわみ(率)の確認をします。④方立、横材への風荷重分布を仮定します。⑤各部材の必要断面性能を計算します。⑥ 意匠、他の性能、製造条件、施工条件などを考慮しながら、各部材の断面形状を仮定します。⑦⑥で仮定した断面形状の性能を計算します。⑧ 応力(度)、たわみ(率)を計算し、許容応力(度)、許容たわみ(率)以内であることを確認します。⑨フ ァスナー部(ファスナー本体、接合ボルト、溶接強度)の計算をします。このように、風荷重に対して構造上の安全が確認された仮想断面は、他の性能面や機能面からの詳細な検討が加えられ完成します。設計条件の確認(意匠面)材料・形式の検討部材割りの検討(面構成材の設計)・標準部における部材の形状、寸法の設計・特殊部における部材の形状、寸法の設計(接合部の設計)・目地幅の設定・排水機構の検討(ファスナーの設計)・方式の設定・ファスナーの設計・躯体側アンカーの検討(部材強度の検討)耐風圧性能の検討(部材変形量の検討)層間変位、水密・気密その他性能の検討(性能面)性能条件の確認FLTTM Mh2hh1lFLMFLFL風方向Tl/2ll/2Mhl/2 l/2■部材設計例全体形状:ガラスを使用する部材縦通しのグリッド状プロポーション(デザイン上の要求)D : 主に耐風圧性能Fo : デザイン(プロポーション)、耐風圧性能Fi : デザイン(プロポーション)、耐風圧性能G : 横材取り合い水密性能用シール目地幅および内部スペーサー厚(押縁使用)Sm : ガラスのみ込み代および層間変形に対するエッジクリアランス※この例はあくまでも断面の一例であり、すべてに共通するものではありません。外観方立タイプの構造モデル横材(T)、方立(M)への風荷重仮定分布正面図断面図T部材M部材h1、h2≧l のときM部材が等間隔の場合FoFiSmGD部材断面主要寸法の決定要素(ノックダウン方立タイプの一例)メーカーの内部条件として制約される供給能力の問題設備の規模による断面サイズ、長さ、幅等の質的制約工事工程に合わせた量的生産規模の制約技術水準の問題要求デザインと現代技術水準のギャッププロジェクト( 現場) 固有の条件でゼネコン(の現場)から要求される1. 積層工法等建築全体の工法に係わるもの。2. 外部足場の有無による取付工法の選択3.ユニット工法の指定( 例: 工場でのガラス組み込み)4. 他の職種との共同作業の指定5. 未完成部分として残す部分( 駄目残し部分)の指定6. 新工法(ゼネコンの開発したもの等)の指定