ブックタイトルカーテンウォール総合カタログ
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カーテンウォール総合カタログ
231参考資料2.カーテンウォールに求められるものカーテンウォールとはまさにカーテンのように空間を仕切るだけの、建物の構造に寄与しない取りはずし可能な壁をいいます。ブロックやれんがなどによる組積の壁や、鉄骨や木製の間柱・胴縁による壁も、耐震壁(耐力壁)でなければ、広義にはカーテンウォールの一種なのです。しかし、現在は外装材や開口部などを含む部材を、現場で組み立て取り付けるだけにまで加工済みのもの(ノックダウンknock-downという)や、工場でパネル化したものに限って、カーテンウォールと呼ぶのが一般的です。建物の構成からいってカーテンウォールはビル建築において、デザイン的にも性能的にも極めて大きな役割を担っています。すなわち、ビル建築のように多層で、勾配のほとんどない陸屋根の建物においては、外周壁なかでもカーテンウォールによって構成されるファサードが、意匠上の大きな要素となることは自明のことです。躯体と関係なしに、自由なデザインができることは大きな利点です。また性能上もカーテンウォールは軽微な内壁を伴うだけで、外周壁としての様々な要求、耐風圧性・耐震性・水密性・気密性・遮音性・断熱性・耐火性、あるいは耐熱変形性・防露性など多岐にわたる要求に対応する必要があります。以上あげたものの他、建物外周部に位置することや単体としての大きさや使用面積の大きさからいって、工場で製作しやすいこと、現場で施工しやすいこと、そして使用時においては繰作性・清掃性に優れ、耐候性を含め総じて耐久性に富んでいること、などもカーテンウォールを考えるうえで重要なポイントです。このようにカーテンウォールには様々な条件があるため、その設計は多岐にわたる項目に留意しながら進めていく必要があります。設計にあたっては他の工事と異なり、「性能発注」によって進められることが多いようです。すなわち、設計者はデザインや使い勝手などの考え方や要求性能だけを明示し、具体的な仕様や生産・施工法は、カーテンウォールメーカーの責任と裁量に任せるという発注方式です。■カーテンウォールの基本的な三つの性能耐風圧性能耐震性能水密性能風は空気の流れですが、建物にぶつかった時には建物を押し、裏に回った時には、渦をつくって建物を引っ張ります。この押したり引っ張ったりする力を風圧といいます。面積あたりどのくらいの風圧Paに耐えるかの程度で耐風圧性能を表します。建物が地震や風で揺れる時、上階の床と下階の床とは相互に水平方向のずれ「層間変位」が生じますが、カーテンウォールの耐震性とはどれだけの層間変位にまで耐えられるか「層間変位追従性」で表します。階高Hに対するずれ△χの割合を層間変形角R(ラジアンで表します)といい、「層間変位追従性」つまりは耐震性能の程度を表します。台風のように風を伴った雨の時には漏水しがちです。一定の降雨量の時、どの程度の風圧まで雨水の浸入を防げるかを水密性といい、耐風圧性能と同じくPaで表します。■用語説明ノックダウン(knock-down)運搬効率や現場施工性を考えて、製品をあえて部品の状態で出荷し、現場で組み立て製品化する方式。気密性すき間から空気が洩れる程度をいう。1m2・1 時間あたり洩れる空気の量で表示するが数値が小さいほど気密性は高い。遮音性内から外へ漏れる音や外から内へ侵入する音を遮る程度をいう。内外の騒音レベルの差はそれを仕切っている部材の遮音性による。断熱性熱が対流や伝導により移動するのを抑える程度をいう。熱貫流率(K 値)の単位は、内外空気の温度差が1℃あるとき、1m2 当たり1時間につき、何Wの熱が移動するかをいい、W/m2・Kで表す。耐火性火災時、建物内外からの火熱によって損傷・脱落しない程度をいう。想定された火災条件において何分くらいもつかによって程度を表示する。耐熱変形性気温変化や直射日光の有無を原因とする温度変化により伸縮する度合いをいう。色などにもよるが外周壁の温度は1 年で相当異なる。防露性空気中に含むことのできる水蒸気の量は温度によって異なる。外周壁の断熱性が高いと、その内側の壁面温度は室内温度に近くなり、結露しにくくなる。ΔχHR=Δχ/H